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ベーシック・ペンション実現へのヒント|日本独自のBI、BP実現への課題2022年考察シリーズ-1

はじめに

当サイトの主要課題の一つ「BI実現の壁超克シリーズ」。
8つの壁の3つ目と4つ目の壁が「社会制度問題の壁」と「労働・社会観の壁」。
その取り組みに備えることも兼ねて、当サイトの前身であるサイト・https://basicpension.jp の記事の中から、<社会保障制度>関連シリーズ記事を、一つの記事にまとめる作業を行っています。

今回は、その中から、2022年5月以降に投稿した、「ベーシック・ペンション(以降BP)実現へのヒント」と題したシリーズの5つの記事を一つにまとめました。


当サイト提案の、日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金実現に向けて、さまざまな課題があります。
その視点で、種々の情報から改善・解決につながる、つなげることができると思われるもの、コト、情報を、都度取り上げ、日本独自のベーシックインカム、<ベーシック・ペンション実現への課題2022>シリーズを進めていきます。

その1回目として選んだのが、先日の日経掲載のこの記事。
⇒ 「地域の消費喚起、スマホ決済活用 商品券→ポイント還元 自治体の事務コスト20分の1に 高齢者への浸透課題」

自治体行政対地域住民・消費者間で進むデジタル化、キャッシュレス化

この標題の視点で、先の記事を以下整理してみました。

自治体の地域振興手段、プレミアム商品券からポイント還元への事情

その記事への関心の着眼点を整理すると

ポイント還元方式への転換の要因と課題

その要因と残る課題について整理してみたのが以下。

プレミアム商品券に比べ、ポイント還元の場合は、
・既存のスマホ決済システムを利用可能
・商品券やクーポン発行の場合にかかる、偽造防止対策・印刷、利用店舗への対応、店舗への補助金支給業務委託等の事業管理コストを大幅に削減可能
・自治体は還元分の補助金を決済事業者にまとめて払い込むだけ
・コスト削減分、予算を実際の消費者還元の原資に回すことが可能

問題点は、
・スマホに詳しくない、スマホを持たない高齢者が存在
・自治体採用サービスを利用している住民のみに限定
・(上記等から)還元を受けられる消費者の公平性面で残る課題

愛知県のポイント還元「あいち旅eマネーキャンペーン」体験

この記事にある例そのものを、私も昨年2回経験しています。
Go to トラベルの自治体版で、「あいち旅eマネーキャンペーン」というもの。
当初昨年12月一杯までの予定が、今年2月末までの延長が決まっていましたが、コロナ第6波で中止に。
実体験報告は、別サイトで以下の記事で行いました。
(現在は、存在しません。)

愛知県の県民割、「あいち旅eマネーキャンペーン」を利用してみた(2021/11/27)

日常利用しているPayPay を選択して交換。
非常に便利ですね。

上記の情報からイメージしたことを、思いつくまま挙げていきます。

ベーシック・ペンション(以下PB)は、専用デジタル通貨(PBDC)で給付することを目指しています。
しかし、まだ中央銀行(日本では日本銀行)によるデジタル通貨(CBDC)の発行に関しては実験が進められている状態で、発行するかどうか、するならばいつか、については、まだ明らかにされていません。
BP自体は、多面的な目的・機能をもつ制度・システムであり、すべての国民全員に(年代により異なる金額はを設定していますが)平等に支給するとしています。
しかし、月額が最大で15万円と多額を設定していることも含めて、ある程度段階的に、ある面では実験的に導入することが必要と考えています。

現実的方法の一つ目は、デジタル通貨以外の通貨で支給すること。
そこで参考になるのが、先述の「ポイント方式」です。
現金支給では、銀行振込方式となり、莫大な手数料を必要とし、かつ口座を持たない人々への支給に難があります。
そこで、マイナンバーカード保有者にのみBPを支給する。
方法は、マイナポイントで。
マイナポイントを利用できる店舗や事業所は、予め登録・承認を必要とし、地域振興に寄与するものに限定することも考えることができます。

BPも、利用できる事業所は事前に申請・承認を得ることとしており、基本的に、日本国内を一つのローカルな市場として、国内だけで流通する通貨としています。

例えば、BP支給の目的において高い優先順位を持つのが、少子化対策、母子・父子ひとり親世代困窮対策です。
教育費負担などへの不安から出産をためらう世帯に対して、これから産まれくるすべての子どもに、生活基礎年金の子ども向け版、児童基礎年金を月額8万円、マイナポイントで支給する。
新生児の名前で登録発行したマイナカードに、マイナポイントが発行するわけです。

当初新生児のみ支給しますが、制度を整備して、未就学児すべてに、ついですべての小学生に、と支給対象を広げていきます。
しかし、マイナポイント支給は、一時的な措置であり、専用デジタル通貨BPDCの発行管理が可能になれば、マイナポイントは、すべてBPDCに切り替えることになります。

自治体のポイント還元策でのメリットと共通のメリットが、マイナポイント・ベーシックペンション方式にもあります。

・既存の決済システムの拡張・拡充で対応できる
・スマホ決済に加え、マイナカードによるカード決済システムも併用できるように
・システム開発コスト、事務管理コストが削減可能
・対象者拡張に応じて、マイナカード保有者・保有率を高めていくことが可能に
・利用事業所の多くが地域密着事業所となり、地域振興に寄与する
・マイナポイント・ベーシックペンション導入時には、マイナポイントをBP専用化することで、利用データを収集分析し、より有効な活用方法の研究や支給対象者拡充政策に活用可能に
・専用デジタル通貨に移行したあとは、マイナポイントは、自治体の政策や政府の特定目的の給付用として利用するシステムに移行するのも一案

まだまだアイディア、ヒントがこれからも出てくると思いますが、今回はここまでとしておきます。
次回は、デジタル通貨に関する最近の情報から考えてみます。

ベーシック・ペンションの基本的な考え方、特徴などについては、旧サイト記事から、以下の記事にまとめたものがあります。
是非、チェックしてみてください。
但し、その時点での整理であり、今後、シンBI2050への構想化・具体化において、修正・変革することになります。




シリーズ2回目のヒントとして選んだのが、この日経記事です。
⇒ 日銀総裁「26年までに判断」 デジタル通貨発行の可否

日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンションは、日銀が、専用デジタル通貨JBPC(またはBPDC)として発行・支給するとしています。
そう言うのは勝手で簡単ですが、実際のところ、日銀がその気になるか、政治でその実施を決定し、法制化するという条件をクリアしなければお話になりません。
一応、欧米各国の中央銀行とも協調し、発行のための実証実験に日銀も入っていることは既に報じられているところです。

その黒田日銀総裁が、1月28日の衆院予算委員会で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行についてその時期について「2026年までに判断する」とし「確約はできないが、制度設計の検討もそろそろ始めようと考えている」と報じたのがこの記事。

ある調査会社の90カ国調査集計では、10%がCBDCを既に導入済み、16%がパイロット実験中、17%が開発中で、研究中を加えると約9割が準備を進めている状況。

日銀デジタル通貨実験状況

この記事と、先述記事などを併せて第1次・第2次実験の概況をメモしてみました

第1段階・実験課題と状況

・コンピューターシステム上の実験環境の設定
・電子的発行通貨の送金や流通等基本的決済機能の不具合状況の検証
・決済の処理能力などの検証等

第2段階・実験課題と状況

・保有金額への上限設定、金利付与等の検証
・複数の口座保有、オフライン決済等利便性向上の取り組みと検証
・実験用ウォレットアプリとの接続と技術的課題の検証
・現金との交換や、民間の決済システムとの連携等の検証
・電源がない状態での決済検証

少々覚束ないメモですが、実証実験は3段階までとのこと。
当然、各国中銀との協調実験もあるでしょうから、第3段階では、グローバル通貨としてのCBDCの実験課題が入ってくるのではと思います。

 ということで、CBDC発行への期待は高まっていきますが、当然、ベーシック・ペンションデジタル通貨は、その一般的な意味での法定通貨としてのCBDCとは異なります。
 日銀が発行するのでCBDCなのですが、それとはまったく別の、ベーシック・ペンションとしてのもう一つの別の種類のCBDCであり、仮称ですがJBPC(Japanese Basic Pension Currency)です。
 そのJBPCは、次のような特徴と要件を持ちます。

ベーシック・ペンション、デジタル通貨JBPCの特徴および要件

【個人番号日銀口座限定】
1.日本銀行に開設した、個人番号を口座番号とするJBPC専用口座だけに保有でき、他の市中金融機関に送金・預金・保管はできない。
【国内限定】 
2.日本国内でのみ利用できる、一種の地域通貨である。
【使途限定】
3.利用できる商品やサービスは、基礎的な生活を送るための利用に限定される。
【利用事業所限定】
4.その目的に適応した、事前に申請し、認可された事業所で利用できる。
【デジタル通貨限定】
5.個人番号カードまたはインターネット上で、特定のアプリケーションソフトを用いて支払い決済し、それと同時に、個人口座から引き落とされる。
【期間限定】
6.利用できる期間が決められており、期限内に利用しない場合は自動的に日本銀行に回収される。
【譲渡・相続・資産化禁止】
7.個人当人の基礎的な生活に利用することを目的としており、他人への譲渡・相続や資産として長期に保有・蓄財することはできない。
【事業所法人番号紐付け日銀口座限定】
8.3の条件を満たし、事前に届け出て認可された事業所は、法人番号を口座番号としてJBPC専用口座を、日本銀行に開設する。
【処理処分限定】
9.通貨保有者の利用によりJBPCを専用口座で受け取った事業所(以下、一次事業所)は、以下のいずれかの方法により、処理・処分できる。
 1)一次事業所と同様事前に申請し、承認を得た二次事業所からの物品の仕入れ・調達のために、一定期間内に利用する。
 2)国や地方自治体に納入する税金、保険料その他の納付金費用に充当し、国もしくは地方自治体に、一定期間内に納付する。
 3)決算時に、保有するJBPCを利益金と相殺処分して、日本銀行に送付する。
 4)上記のいずれかで、JBPCを一定期間内に利用・納付・処分することができない場合、期限内に日本銀行に届け出て、現金と交換する。
【日本銀行管理限定】
10.利用・流通・保管されたすべてのJBPCは、上記の期間内にすべて日本銀行に回収・返却され、日本銀行の資産処分により消却(バーン)され、還流してきたJBPC残高はなくなる。

 かなり難しい課題をクリアしていく必要があるわけで、CBDCが発行されることになっても、それを上回るというか、異質なシステムで機能することになります。
 しかし、現状進められている実験内容の多くが、そのままJBPCシステムにも転用できるもの。
 あとの条件においても、現状広く展開している電子マネーやポイントシステムの技術も援用できるものが多いと思われます。

 いずれにしても、今後の日銀のCBDCとその実験に関する情報に注目し、参考にもしていきたいと思っています。

なお、野口悠紀雄氏著『CBDC中央銀行デジタル通貨の衝撃』を参考にシリーズ化した記事を当サイトで、1つの記事にまとめています。
以下で、是非確認頂ければと思います。


第3回目の今回は、インフレ対策に関する考察で、これまでのように特定記事を利用する形ではなく、いくつかの視点・観点での考察になります。

ベーシックインカムがインフレを引き起こすという一般化した意見

日本におけるベーシックインカム提案において一般的な年間給付総額が100兆円超。
当サイト提案の専用デジタル通貨でのベーシック・ペンション給付総額は、約200兆円。

どちらにしても、GDP比(一応年間550兆円として)で占める割合が相当のものになり、いわゆる過剰流動性の発生と、それに起因する需要増大と供給とのアンバランスがもたらすインフレ(場合によってはハイパー・インフレ)発生リスクを厳しく指摘されます。

それに対する的確な回答、納得頂ける説明は、当然できていません。
しかし、無視する気持ちはなく、素人なりに、何らかの対策を考え、提起していくべきという認識は持っています。

ここまで提案してきているベーシック・ペンションで、インフレリスク対策として加味してる事柄を以下、思いつくまま挙げてみました。

1)通常の外国為替取引にも用いられる法定通貨「円」ではなく、国内のみの流通・利用に限定した、中央銀行デジタル通貨の1種であるベーシック・ペンションだけのためのデジタル通貨JBPCとし、海外取引の決済には利用できないものとし、(何かしらの間接的な影響はあるだろうが)外為の直接の変動リスクを回避している。
2)JBPCの流通期間に期限を(現状、4年を想定)を設け、利用されないものは、日銀が自動的に回収し、消却(バーン)し、その分の残高はゼロとなり、実質的には発行されなかったことと等しくなる。
3)利用JBPCを受け取った(指定)事業所は、現金に換金するとき、その収益から一定の手数料(現状は1%程度を想定)を日銀にJBPCで支払う。
4)この受け取りJBPCは、日銀のPB事業益として、回収済みJBPCの消却(バーン)の原資の一部に充当され、当該残高分はゼロとなる。
5)利用JBPCを保有する事業所は、一定範囲内で、保有JBPCと益金とを相殺し、(利益処分または雑損扱い)その額を日銀に納付することができる。
6)JBPCを利用できる事業所は、国内資本による日本企業(みなし法人等含む)のみとし、海外資本事業所は、JBPC事業所に指定されず、JBPCを保有することがなく、国外に移転・流出することはない。

このレベルの細かいことを抽出すれば、類似した項目を他にも上げることはできますが、それが、目的ではありませんので、ここまでとし、より重要な課題に進みます。

一般的なインフレ要因を確認する

上述したように、過剰流動性の発生がインフレの一因となるとされています。
すなわち、現在アメリカ・バイデン政権によるバラマキが、インフレを招き、FRBが引き締めに入っている状況がその端的な事例です。
バラまかれたカネで購買意欲が高まり、求人も増え、労働力不足により賃金が上がる。
賃金上昇が価格に転嫁され、物価が上がる。
旺盛な需要を満たすための供給が追いつかず、在庫不足や、原材料価格が上がることでも物価が上がる。
こうした連鎖で、インフレを亢進させる。

しかし、バイデン政権のバラマキだけがインフレを招くわけではなく、グローバル社会における戦争・紛争、自然災害・事故、新型コロナウイルス等パンデミック等、いわゆるサプライ・チェーンに関わる供給不足問題やエネルギー他各種資源の高騰、そして当然人的要因による経済・経営破綻など、インフレを引き起こす要因・事例は多種多様であり、いつ起きるかわかりません。
すなわち、インフレは想定外の要因によっていつ起きても不思議ではない「想定内」のものとして認識し、その被害を抑制する体制やシステムを備える必要があるわけです。

先に箇条書したレベルでは、JBPCで企図した部分的な配慮に過ぎません。
しかし、ベーシック・ペンション本来の目的において最も重視しているのは、基本的・基礎的生活を送ることを可能にする安心・安全保障を、社会保障政策次元にとどまらず、人として生きていくための基本的人権として据えることです。

それは、消費者としての権利、安心安全保障だけでなく、その基礎・基盤を提供・供給する事業者にもその機会を提供するわけです。
これにより、国内の基礎的な資源・原材料、製品・商品、各種サービスを公的・民間双方の役割分担に基づいて開発し、提供し、社会的共通資本としてそのシステム・ノウハウを形成・蓄積することをめざしているのです。

最近、こんな記事も書いています。
⇒ 多様な地政学リスクに日本が備えるべき長期自給自足体制構築への取り組み(2022/2/10)

※申し訳ありません。この記事も現在存在しません。しかし、関係サイト・ONOLOGUE2050で、シン安保2050という理念に基づき、こうしたテーマに取り組んでいます。

インフレをめぐる経済学者、マスコミの最近の意見・情報から

こうした思いは思いとして、一般的なインフレや関連する経済的要素・要因に関する記述、ポイントを、最近のマスコミ記事からアトランダムに抽出してみました。
脈絡を著しく欠きますが、その意図をお汲み取り頂ければと思います。

理想は相場がずっと安定したほうがいい。だが各国間の成長速度や物価が違うので、そうはならない。日本も以前よりは円安・円高に一喜一憂しなくなった。変動相場に移行して約半世紀たち理解が進んだのかもしれない。為替への関心が薄れるのはいいことで、円相場に左右されない経済構造への転換をもっと進める必要もあるだろう」

幅広い生活品目で輸入依存が進んでいる。
国内消費に占める輸入品の比率をみると、家電・家具などの耐久消費財は34%となり、10年ほど前の1.7倍に高まり、衣料品など身の回り品も同様である。
「円安は日本経済にプラス」といわれてきた構図が変わりつつある。
輸入依存度が高まることで、円安による物価高が家計を圧迫しやすくなった。
半面、製造業の海外移転で円安が輸出を押し上げる力は弱まった。
従い、円安を通じた輸入物価高が家計の重荷になる円安デメリットが実感されやすくなっている。

国内経済は低成長で賃金が上がらない。
その中での身近な品目の上昇は家計の重圧となる。
一端が家計の消費に占める食費の割合を示すエンゲル係数の上昇だ。21年1~11月は25%超と、1980年代半ば以来の水準に高まった。

こういう状況を考えると、無条件で平等に支給される生活基礎年金としてのベーシック・ペンションがどれだけ有効か、イメージできると思います。

規制緩和や働き手の技能向上などで付加価値が高い商品やサービスを生み出し、為替変動に左右されにくい産業を育てなければ、日本の「貧困化」が加速しかねない。

 これは日経氏が、紋切り型に繰り返す能天気な願望記事。
 重要なのは、付加価値が高いことが必須ではなくて、為替変動に左右されずに、ベーシックな生活必需品を適切に供給できるようにする取り組みです。
 BPで貧困化は当然抑止できているわけです。

 もう少し関連記事情報を見てみます。

日本の消費財の国際的相対価格の低下は、外国財から国内財へ国内需要が代替される誘因を強める一方、国内所得水準を低下させるため消費水準全体を押し下げる。
消費水準を保つには国内実質所得が上昇するか、海外証券投資や直接投資の収益を通じ、海外から日本への実質所得移転が必要となる。

ベーシック・ペンションは言うまでもなく、国内実質所得を引き上げ、消費水準を引き上げます。

労働生産性の改善を通じた国内実質所得の上昇なしでは、消費水準は劣化し経済厚生(社会全体の満足度)の損失が生じる。
貿易可能財でも小売価格レベルで国際間の一物一価は成立しておらず、国内価格の硬直性も要因。
貿易可能財の自国通貨建て価格が硬直的ならば、一物一価からの著しい乖離が生じる。
もし円安を国内価格にスムーズに転嫁できていれば、これほどまでの円の実質減価は生じなかった。
国内輸入企業は利幅を減らしてまでも、円安を国内価格に転嫁せずにきたか、日本経済に長くはびこる低インフレがその要因である。
高インフレ下では、国内企業は一定率の小さな価格変更をより頻繁に行い、輸入原材料や為替レートなどの費用条件の変化を国内価格により素早く転嫁させることが確認できる。

これも言うまでもないですが、低インフレリスクもあるわけですが、ベーシック・ペンションが実現すればその不安は杞憂となります。
また、労働生産性向上を賃上げ条件とする必要もなくなります。

米国バイデン政権下のインフレ、経済政策事情

最後に、日本の事情と若干比較できる興味深いアメリカ・バイデン政権下の状況・動向に関する記事からのピックアップです。

(バイデン)政権は、約40年ぶりの高い伸びをみせているインフレが巨大企業によってもたらされた可能性も主張し始めている。
一方、米アマゾン・ドット・コムなど巨大IT企業がもたらすデフレ効果など、これに逆行する要因も多数存在する。
企業の市場独占と価格低下は共存し得ると主張することもできる。
実はバイデン政権は現在の価格上昇圧力と巨大企業の影響力との関連を提示しながら、インフレの単純なメカニズムよりもっと複雑な問題、すなわち、この半世紀の間に進んだグローバル化が頓挫しつつあることに目を向けているのではないか。
また、中間所得層の賃金が再び上がり始めたことでモノの価格が高騰し、全般的なインフレを招いている点も見逃せない。

ドル高と技術革新への投資の増加を背景に「海外でモノやサービスを生産することが可能になり、しかもその方が利益が出るようになった。
そのため国内生産への労働投入量が減り」中間所得層はこの10年以上、賃金が上昇しなかった。
これを受けて政府は国内労働者を増やし、労働組合の力を強め、海外とのデカップリング(分断)を促す政策をとった。一部の企業ではサプライチェーンのリージョナリゼーションやローカリゼーション、さらには垂直統合が進んでいる。

このインフレ圧力はコロナ下でのサプライチェーンの混乱が解消すれば部分的に緩和されそうだ。
企業集中とインフレは、とりわけ需要が供給を大幅に上回る局面で相関関係が認められるだろう。
サプライチェーンのボトルネックの影響を最も受けやすい海運や半導体などの業界が、驚異的な利益を上げているのは偶然ではない。
今はもっと大きな変化が起こりつつある。
小さな政府や市場メカニズムを重視する新自由主義的な考え方の下で進んだグローバル化が終焉を迎えているのだ。
その結果、企業や労働者、インフレにちょうど影響が出始めたところと言える。

日本と共通する状況、異なる事情、双方読み取れますが、非常に参考になります。

要するに、為替変動リスクや供給リスクを軽減・抑制するために、国内での需要供給バランス体制を、長期間かかってでも、着実に形成・構築することでインフレ発生リスクを軽減し、発生時にもその被害・損害を最小限にする仕組み体制を構築すべきというのが本稿の目的です。
その意図・目的を持つ日本独自の、専用デジタル通貨JPBCベーシック・ペンション生活基礎年金です。

もう一つ付け加えておけることがあります。
それは、インフレリスクを軽減するための方策として、ベーシック・ペンションの導入を何段階かに分けて、発行・給付額をいきなり多額にせず、有効性を考えて優先順を決めて、少額ずつ導入することを考えています。
例えば、少子化対策として新生児から給付開始する、国民年金制度および老齢基礎年金制度に代わる制度としてBPを導入し、その結果同制度を廃止するなどがその例です。
より具体的な構想・案は、今後提起する「2022ベーシック・ペンション案」でと考えています。

この案も含めて、紹介した日本および米国のインフレ、経済事情に関する記事から、ベーシック・ペンションが持つインフレ抑制意図を多少なりとも感じ取り、読み取って頂ければと思います。



今回は第4回です。

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これまでベーシック・ペンションの提案において、
1)日銀にすべての国民が、専用デジタル通貨の口座を持つこと、そのためのシステムを持つこと、口座管理を行なうには膨大なコストが掛かり不可能
2)日銀が膨大な金額のベーシックインカムを発行給付すること、専用口座を作ることで、民間の市中銀行が潰れる

といった問題を指摘されたことがあります。
こうした指摘について、今回大雑把ではありますが、最近気になった日経記事や思うところとと結びつけてメモしてみます。

日銀法改正が不可欠:デジタル通貨発行で日銀法改正規定路線化

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入に向け、これを法定通貨とするには財務省が所管する通貨法改正が必要であり、日銀や金融庁と緊密に連携して制度設計等その準備に入ったとされています。
CBDC導入に伴い行われるこの法改正が、国内専用の法定通貨の1種でもあるベーシック・ペンションデジタル通貨JBPC発行をも認める再度の法改正と、その新たな事業を行なうことを盛り込んだ日本銀行法改正の呼び水となるわけです。

次に、JBPC発行のためのシステム開発と導入に必要なシステム基盤としてのサーバーおよび個人情報管理、システム運用管理のための運営・保守・管理システムに関するコストは膨大な額になります。
これには、サーバー等ハード費用や利用事業所の端末システム(一部は事業所負担も)も含みます。
こうしたJBPC導入・運用に伴うコストは、独立した日銀JBPC特別会計で管理し、日銀の損益管理システム内で処理します。
一般の国家財政にはまったく影響を及ぼさないものになります。
なお、そのための半導体やサーバーその他必要資材は、極力全量内製化、すなわち国産のものを調達する政策を明確に打ち出すことも必要と考えています。

すなわち、膨大なコストの発生とその負担に関しては、税など国民に負担を求めるものではまったくありません。
JBPC特別会計において、すべてが日銀勘定のもので管理されるものであることを確認しておきたいと思います。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

民間銀行の信用創造との関係

ベーシック・ペンションが仮に年間総額100~200兆円規模で発行され、従来の賃金等の預貯金がそのまま民間金融機関に向かい積み上がるとします。
このとき、恐らく銀行による信用創造額も、不動産投資等の需要が高まり、増加する可能性が高くなるのではという予想もありえます。
この状況はインフレ要因でもあり得るため、私は、銀行の預金準備率を高め、信用創造度を低下させるルール変更が必要と考えています。
ベーシックインカムでもJBPCでも同じなのですが、言い換えれば、法定通貨発行権は当然中央銀行に限定すべきであり、ステープル・コインとしての民間でのデジタル通貨発行も、一定の制約を課すべきと考えます。
なぜならば、民間銀行によるデジタル通貨による信用創造を、従来と同じように認めることも、同様インフレリスクを増幅するとともに、銀行の既得権を拡大することになり、著しく公平性を欠くことになると考えるゆえです。

三菱UFJ銀行等3メガバンクやNTTグループなど74社・団体参加の企業連合が1月下旬に、2022年後半のデジタル通貨「DCJPY」の実用化と、年内に実証実験に入ることを発表。
DCJPYは円建てで、取引の最小単位を1円とし、小売企業とメーカー・卸企業の間での決済、地域通貨としての利用、スーパーシティ構想を掲げる会津若松市が加わり行政での税の納付や給付金の配布などでの活用することをも課題としているのです。

変わる銀行機能、誰もが「銀行」に、銀行不要に

ビル・ゲイツが30年前に「銀行業は必要だが、銀行は必要ではない」と言ったという。
ブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いたDeFi(分散型金融)システムに流れた資金は、昨年11月で11兆円で1年で5倍。
借入先は、インターネット上にお金を預ける不特定の個人で、融資は数秒で手数料はほぼ不要。
銀行は不要であるという声が聞こえてくるわけです。

上記のように、銀行は自らの存在基盤を守るべくデジタル通貨の発行を手掛けることを強く求めています。
銀行不要論も高まる中、なんとか巻き返しを図る動きは、私からみれば、既得権をベースとした公平性を欠いた動きと、あまり快く思っていません。

メタ、デジタル通貨ディエム(旧リブラ)発行断念

この記事との関係は薄いのですが、話題性があることとCBDCに大きな影響があったということで取り上げたいと思います。
米メタ(旧フェイスブック)主導のデジタル通貨「ディエム(旧リブラ)」運営団体ディエム協会はす先月1月末、関連技術や知的財産の売却と発行計画からの撤退を発表した。
ブロックチェーンを活用した決済システムを開発し、SNS利用者に利便性が高いサービスを提供する計画だった。
通貨ではなくグローバルな決済システムを作ることを目的とし、法定通貨を裏付けとする「ステーブルコイン」にすれば、暗号資産の欠点とされてきた価格変動も抑え、低コストで送金できる決済網ができると考えた。
しかし、通貨秩序への挑戦ととらえて強硬に反対する各国政府・中央銀行に対抗できなかったということですね。

日銀に国民全員がJBPC口座を持ち、民間銀行での預金に充てられなければ、民間銀行が潰れる、と懸念した人がいます。
それは早計というもので、従来の賃金の振り込みや、通常の法定通貨の預貯金は従来どおり民間銀行口座で行なうのですから思い違いです。
また、一般の法定通貨としてのCBDCも、恐らく民間銀行にもつ口座に入出金できるようになるでしょうから心配は要りません。
但し、先述したように、銀行の機能、求められる役割は変化していますから、従来どおりのイメージでいると、いずれ退化・衰退することが想像できるのでは、と思われます。

以上から確認できること、あるいはクリアすべき課題に、日銀の新たなJBPC事業導入とそれに必要な日本銀行法の改正、銀行法の改正があります。
そして、JBPC導入・運用のための開発業務と必要なコストの負担に関する合意形成は言うまでもありません。

本稿のまとめとしては物足りないですが、以上の他、ベーシック・ペンションの課題として認識している諸課題に関しては、上記の動向を含め、何かしらの取り組み例や関連情報があります。
従い、長期的な視野と中長期的な目標設定で、修正を加えながら実現可能な課題を積み上げることで現実化できると考えています。
じっくりと、着実に進んでいければと思います。



前回記事公開後、
<2050年日本独自のベーシックインカムJBPC完全実現に向けての2022年提案>と題して、2022年におけるベーシック・ペンションの段階的導入案を、4回シリーズ化して、同月中に提起しました。
以下が、当サイトで集約した、その4回シリーズ記事の統合版です。

そこで、今月3月は、上記の2つのシリーズをそれぞれ補完する形で、随時テーマを設定し、どちらかのシリーズの続編と位置づけて、投稿していくことにします。


今月初めての投稿は、別サイトに投稿したブログ
ブルシット・ジョブとエッセンシャルワークをめぐる労働観論の意味とは?:<コロナ禍の思想>から考える-2(2022/2/11)
で取り上げた1月に日経でシリーズ化された<コロナ禍の思想>の中の、社会学者酒井隆史氏の小文を再度取り上げ、ベーシック・ペンションと重ね合わせて考えてみます。
(参考)
⇒ 転倒した労働の価値 社会学者・酒井隆史氏: 日本経済新聞 (nikkei.com)

先述のブログでは、酒井氏の小文をいくつかに区分しながら要点を整理しつつ、私の考えを付け加える形にして、以下のように展開しました。

1)ブルシット・ジョブとエセンシャルワークを問題化することにどれほどの意味があるか
2)ブルシット・ジョブはだれが創ったのか、なぜ生まれたのか
3)理解しにくい、ブルシット・ジョブとエッセンシャルワークの価値と評価の転倒
4)その労働観転倒の原因としての労働価値の数値化、価額化
5)本来生産性を求めることが不適切なケアワークの本質を明確に示すべき
6)社会を維持している労働の再評価に、資本主義は不適切なのか?
7)多くの価値の逸脱・転倒を、既存の理論、システムから離れて問い直す
8)「市場価値」中心の現代を捉え直すために、歴史が不可欠か
9)人は歴史に本当に学ぶことができるか、あるいは学ぶべきか
10)学者・研究者の役割とは

実は、酒井氏の小論は、初めはベーシック・ペンションに結びつける題材として用いる予定だったのですが、途中で方向転換。
コロナ禍を背景として、エセンシャルワークとブルシットジョブを比較する形での労働の価値観の見直しの必要性を提起する小論と位置づけて、「歴史に学ぶべき」という一般的な定型ワードに対するかねてからもつ疑問を提起。
加えてこうしたパターン化した学者・研究者の考え方に対する疑問も併せてまとめました。
しかし、消化不良というか、論点がぼけてしまったと反省し、やはり元の認識として、ベーシック・ペンションと労働観と結びつける作業をしておくべきと考えての本稿です。

酒井氏の言うところの「労働価値の転倒」。
市場価値としての労働価値の転倒は、資本主義社会の当然の帰結として起きたことであり、市場原理の転換をもたらすもの。
そうとは断言できないでしょう。

コロナ禍では在宅ワークなどの新しい生活様式が生まれ、仕事の要否を検討する必要に迫られた。すると、実は何の役にも立たない、仕事のための仕事が多くあったことに気づかされた。手間のかかる書類作成、無意味な会議や部下の管理……。こうした仕事は「ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)」と呼ばれ、自分の仕事が不要だと自覚した人たちから共感の声が集まった。

ブルシット・ジョブの多くは、実は、突き詰めれば、ブルシット・プロダクツやブルシット・サービスを生産し、生みだし、提供するジョブとも共通性はある。
そこまでは、酒井氏論では突き詰めていませんが、私は、そう思っています。
一方、エッセンシャル・ワークのすべてが、ブルシット・ジョブとは異質の、ムダのない仕事・作業で成り立っているなどといえるはずもありません。

すなわち、労働の価値を判断する上で、資本主義社会が矛盾しているわけではなく、また共産主義・社会主義社会が適切な尺度や基準を持っているわけでもありません。

小論の冒頭にある以下のケインズの未来予測は、ベーシック・インカムを論じる場合に、よく引き合いに出される小咄です。

人間は労働からの解放を目指して産業と社会機構を発展させてきた。経済学者のケインズは、自由な市場原理に基づく経済成長や産業合理化、日進月歩の科学技術を根拠に「孫たちの経済的可能性」(1930年)を書いた。世界を成立させるのに不可欠な労働は減少し、週15時間働けば十分な時代が到来する、と予言した。
ところが、現実は異なる。

要は、労働が生み出す究極的な価値が、労働を不要にする、としたわけですが、加速した資本主義社会はもちろん、他の社会システムにおいても、労働価値は転倒も、転換もしていません。

コロナ禍では、ブルシット・ジョブとエッセンシャルワークの価値と評価の転倒した労働観が浮き彫りになった。
こうした転倒が起きたのは、近代以降、労働の価値を数値化したことが一つの原因だ。資本主義は爆発的な経済成長をもたらし、人々の生活を豊かにした。その過程で、商品を生産するなどの成長と結びつく労働だけが価値を認められる、市場の論理が作られた。

格差の拡大は、労働の価値の転倒・転換ではなく、資本の増殖とブルシット・プロダクトやブルシット・サービス市場の拡大がもたらした、資本・金融所得の膨張によりもたらされた側面があります。
その利潤・所得は、資本主義社会のみならず、国家資本主義社会においてももたらされています。

従い、実はベーシックインカムは、どんな国家体制においても用いることが可能で、有効な社会経済システムとしての制度になりうるのです。
酒井氏が提起する漠然とした価値観の転換・転倒が、望ましい労働価値のを保証するものでは決してないでしょう。

回りくどい内容になってしまいました。
再度、酒井氏の論述を拝借しながら、本稿を進めましょう。

医療や介護に従事し「ケア階級」と呼ばれるエッセンシャルワーカーの存在も際だった。感染リスクと最前線で闘う彼らの仕事は社会の維持には欠かせない。だがその価値とは裏腹に、低賃金・重労働など労働条件が悲惨な場合も多い。

そこでの価値は、貨幣価値では表現尽くしきれないもの、ということになります。
しかし、日本の政治で行われている介護職や保育職への賃金補填は、市場価値を意識する性質と、それから切り離して公的な価値に補正する性質を併せ持ちます。
また比較する例として、公務員の労働価値は、市場価値なのか。
これに対する明快な解があるでしょうか。
公務員の仕事にブルシット・ジョブは皆無とは言い難いことは明らかでしょう。
そしてまた、公務員の仕事には、エセンシャル・ワークと呼ぶに相応しい、極めて適切な仕事が多いことも自明です。

ということで、酒井氏の小論は、さほど意味がないと読むこともできるのです。
ただ、以下の論述には、見るべきもの、読むべきものがあります。

コロナ下では、利益にならない医療資源を削減し、経済を優先する政策も一部に見られた。だが、私たちはこの社会を本当に維持している労働とは何かを知ることができた
経済なくして生命は成り立たないが、経済の土台に生命があることを忘れてはならないケア階級の人々をこの災禍の一時的な英雄にしないためにも資本主義とは異なる論理を立てて再評価することが求められている

この社会を本当に維持している労働とは何かを知ることができた」というのは偏りがすぎるでしょう。
しかし、「経済なくして生命は成り立たないが、経済の土台に生命があることを忘れてはならない」。
この一言に、この小論の価値があると受け止めています。
そして、その生命の保持のために、すべての人々に有効なのが「ベーシック・ペンション」です。
そしてベーシック・ペンションは、労働価値を単純に市場価値と置き換えることの不適切さや、エセンシャル・ワークやブルシット・ジョブとの価値付けの困難さに異を唱えて、最適解を求める作業を回避するものであることを示しておく必要があると思っています。

また蛇足ですが、「ケア階級の人々を(略)資本主義とは異なる論理を立てて再評価することが求められている。」というミッションにも、反対であることも申し添えておきたいと思います。
但し、ケア階級職務が公的なものと認識して再評価することはありうるかと思いますが、現実の公務員賃金が適切な評価で決定・形成されているかについては疑問が多く、結局は、最適な再評価基準を見出すことは難しいでしょう。

とすると、その価値再評価での賃金形成よりも、まずすべての人々に平等に支給する日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金を支給することで、コロナ禍のような不測の事態への備えとすることが可能になり、生きる上、働く上でのさまざまな場面における備えにも多様に、柔軟に対応できることになります。

転倒が起きているのは労働観だけではない。政策より誰を選ぶかに躍起になる選挙や、本来の教育目的から逸脱した学校など、目的と手段の転倒は社会の隅々にまん延している。人間は本来、何を望んでいるのか。何を求めているのか。資本主義を含め、既存の理論やシステムから離れて問い直すことが必要だ。そのために、私たちは想像力を持っているのだから。

この観念論、感覚論は分からぬもないですが、想像性の乏しい人が、政治行政シーンに多いことが現実で、こういう訴えかけはほとんど意味をなしません。

市場価値を中心にした活動の影響が、不可逆な所にまで来たことに多くの人が気づき始めた、ということだろう。時間軸を広げ、全人類史に参照先を見いださねば、私たちは生き残れないのかもしれない。

そして、歴史に学ぶというパターナリズムも、これまで有効に機能してこなかったことも、しっかり確認しておくべきでしょう。
それよりも、絶対にとは言えませんが、少しはマシなのが、現実をしっかり認識し、現状の問題点が今後どのように進展・変化していくか、これからを予測・想定し、その複数のパターンに応じた方法・方策・方向を議論・整理して、取り組み、進捗を評価し、修正を重ねて、実行管理していく。
このマネジメントサイクルを、労働の在り方、労働の価値付けの見直し・改善と重ね合わせて行っていくことが望ましいと考えます。

しかし、こうした取り組みは、日常生活を安心して送ることができる保障された収入があって可能であり、一層ベーシック・ペンションの必要性、早期導入が認識され、図られる必要性が確認できるでしょう。



以上が、2022年2月3月に投稿した、「ベーシック・ペンション実現へのヒント」という視点からの5つの論考の、整理です。

扱ったテーマに、一貫性がないかのように思えますが、基本的には、ベーシックインカム、ベーシック・ペンションの必要性・有効性を論考・主張することに目的があったことは共通です。
そして、それは、シンBI2050にも継承されるものでもあります。

このシリーズの後に、この時点でのBP論の総まとめ的な投稿を行い、本サイトで、以下のようにまとめました。

その後、同じ2022年の5月に、「ベーシック・ペンション導入が望まれる社会」というテーマでのシリーズ記事を投稿。
このシリーズも、本稿が、【「日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション実現への課題」2022シリーズ-1】と位置付けていたことを受けての、【「日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション実現への課題」2022シリーズ-2】に当たるものです。
引き続き、当サイトで、その【2022シリーズ-2】の統合集約版を投稿する予定です。

            

※ 当サイト「シン・ベーシックインカム2050」の基礎となっている旧Webサイト「ベーシック・ペンション」(https://basicpension.jpに投稿した記事のうち、シリーズ形式で展開していた記事を、アーカイブとして、重複を整理しつつ統合した“改訂統合版”です。
旧記事は、内容の重複を避けるため、順次、非公開化/リダイレクト/canonical設定などにより整理し、検索エンジン上でも重複を残さない運用を行います。