山森亮氏BI論のエッセンス|不平等・財源・制度設計を読み解く
山森亮氏のBI論と課題を解説||旧サイト記事集約移管シリーズ8
本記事は、『ベーシック・インカム入門 』(2009/2/20刊・光文社新書)の著者である山森亮氏の著述及び論考をもとにした2回の記事を再構成した統合版です。
*当サイト「シン・ベーシックインカム2050」では、旧Webサイト「ベーシック・ペンション」(https://basicpension.jp)で公開していた記事を、アーカイブとして順次統合・移管しています。
旧記事については、内容重複を避けるため、順次整理(非公開化・リダイレクト等)を行います。
山森 亮氏とは
同氏は、専門は社会政策、経済思想。日本のベーシックインカム研究を牽引する第一人者です。
山森氏の主な活動と思想の特徴を、簡単に説明しました。
BIEN(国際ベーシックインカム・ネットワーク)での活躍
世界最大のBI研究組織であるBIEN(Basic Income Earth Network)において、日本人として初めて共同議長(2014年~2016年)を務めるなど、国際的なネットワークの中心で活動してきました。
現在は終身委員(Life Member)であり、日本支部である「ベーシック・インカム・日本ネットワーク」の創設・運営にも深く関わっています。
世界のBI議論の潮流をいち早く日本に紹介し続けてきた架け橋的存在です。
「生存の権利」を重視する倫理的アプローチ
・山森氏のBI論の核にあるのは、ベーシックインカムを単なる経済政策ではなく、人間の尊厳を守るための「生存の権利」として捉える視点です。
とりわけ、能力主義(メリトクラシー)や「働かざる者食うべからず」といった労働規範が、いかに個人を抑圧し、不平等を固定化しているかを鋭く問い直しています。
本来、同氏の主著を題材として考察すべきですが、その機会を失して以来、実現できていません。(付箋が随分多く貼り付けてはありますが。)
別の機会にできればと思っています。
本稿は、極々その一部と位置付ける2記事構成です。
1.コロナ禍がベーシックインカムの必要性・不可欠性を証明(山森亮教授小論より)(2020/10/16)
ベーシックインカム(生活基礎年金制度)案再考察
◆ 基本的人権基盤としてのベーシックインカム制導入再考察と制度法案創り
◆ベーシックインカムの定義再考察:JBIとは(Japanese Basic Income)
◆ 財源問題、所得再分配論から脱却すべき日本型ベーシックインカム
◆ 日本型ベーシックインカム実現をめざすカウンター・デモクラシー・ミーティングを開設!
◆ BIは、日本国内のみ利用可、使途・期間限定日銀発行デジタル通貨に
◆ ベーシックインカム生活基礎年金月額15万円、児童基礎年金8万円案
◆ ベーシックインカム生活基礎年金15万円で社会保障制度改革・行政改革
◆ ベーシックインカム生活基礎年金、段階的導入の理由と方法
◆ 実現シナリオ欠落の理想的ベーシックインカムの非社会性
◆ ベーシックインカムの特徴と魅力、再確認・再考察
◆ ベーシックインカム導入で健康保険・介護保険統合、健保財政改善へ
◆ ベーシックインカムとコロナ禍の政府債務膨張、デジタル人民元実験との関係
と、12回を数えた<再考察シリーズ>。
少し再考察も停滞気味で、原点に帰ったり、悩み深い問題を再確認したりが続いていますが、今回もある意味原点に立ち返る、ある意味では新しく考えるチャンスであったり、という情報を紹介します。
それは、今日2020年10月16日日経掲載の<経済教室>欄に、「コロナ禍で拡大する格差」をテーマに「労働巡る不平等を可視化」というタイトルで寄稿された、『ベーシック・インカム入門 』(2009/2/20刊)の著者でもある、山森亮同志社大教授の小論です。
労働を巡る不平等を可視化したコロナ禍が促すベーシックインカム導入
もともとは「労働巡る不平等を可視化」というタイトルが付いた小論ですが、山森教授としては、「ベーシックインカム」という用語をタイトルに加えたかったのではないか、そう思える内容の小論です。
そうしなかった(できなかった?)のは、日経サイドの要請だったのでは?
そんな気がしたこともあり、上記の小見出しを私なりにここでは付けました。
その小論。
コロナ危機により、困窮する人々が増えこれまでも存在した不平等が誰の目にも明らかになりつつあるなかベーシックインカム(Basic Income=BI)を巡るニュースが相次いでいる。
少し手を加えましたが、こんな書き出しです。
そして、最近論じられ、報道されるベーシックインカムを巡る種々の例を挙げつつ、これらのなかには、BIとは異なるものも含まれていることも付け加えています。
すなわち、
BIとは
・「より広義の保証所得(Guaranteed Income)という概念の一部」であり、
・「すべての人に、個人単位で、資力調査や労働要件を課さずに無条件で定期的に給付されるお金」のこととし、
・「他の社会サービスと相まって健康で文化的な最低限度の生活を保障しうる額が完全ベーシックインカムBI、それ以下の額のものが部分ベーシックインカムBIで、完全BIを実現している社会はまだない。」と断言しつつ、
・「BIと重複する給付はその分減額・廃止されるが、BIに代替されない給付や社会サービスは残る。」とも加えています。
なお同氏は、日本での生活保護制度の問題点も指摘した上で、コロナ危機下で生活保護申請は増える状況下、生活保護をより利用しやすい形に変えていくと同時に、生活保護からは漏れてしまう人々が利用できる緊急最低所得保証制度を、まずは時限的な形でも導入すべきと提案しています。
完全ベーシックインカムはまだ実現していない
そうです。
今までのところ完全BI(もしくは、それに極めて近いBI)社会は実現していないのです。
そのため、同氏は、現状世界各国で発言され、検討されているものは、「BIを含む保証所得」であったり、「厳密にはBIではなく部分的な最低所得保証」あるとします。
現状日本で種々議論されているベーシックインカム主張論のほとんどが、山森氏の定義から外れるか、定義そのものを無視しているか、なのです。
一見リベラル派の主張は、BIと重複する給付があっても、それらに上乗せしてBIを給付すべきとします。
中央銀行の通貨発行権に基づく国民配当論者は、最低限度に糸目を付けず、むしろ最低限度の生活保障という概念そのものを否定し、一方的な権利としてのベーシックインカムを主張します。
コロナ危機において可視化された労働に関する不平等
そして、コロナ危機のなかで、様々な不平等が可視化されたが、労働に関わる問題点として以下を挙げています。
1.雇用形態の違いによる不平等
日本では雇用保険に入れない非正規、フリーランスの人々が失業しやすく、失業・自宅待機等で労働不能となった場合、セーフティーネットから漏れやすい。
2.エッセンシャルワーカーへの不平等
社会にとって必要不可欠(エッセンシャル)なはずの仕事ほど、報酬その他の労働条件が、必要度に見合っていない傾向にあり、コロナ禍にあってもその改善を進める動きも多くの国で鈍い。
3.ジェンダー化されている不平等
社会にとって育児・介護ケア職務などのエッセンシャルな仕事の多くは不均等に女性により担われており、前項のように労働条件等に大きな問題を抱えたままで放置され、ジェンダー化されている不平等の是正という視点を欠く場合が多い。
こうした視点で、今年4月米ハワイ州の女性の地位向上委員会による提言として公開された「背中を踏みつけて歩くのではなく、橋を架けるCOVID-19からのフェミニスト経済復興計画」において、ベーシックインカム導入が提唱されていることを紹介。
相対的に女性が多く担ってきたケア労働の価値が安く見積もられているのは政治的なものであり、そうした「不平等な現状の維持」ではなく「深い構造的な転換」が、コロナ禍からの経済復興で目指されなければならなず、その政策パッケージの一環としてのBIの導入を提唱する。
そして、山森氏はこう結んでいます。
コロナ危機のなかで、BIが言及される背景にあるのは、こうした経済のあり方の深い構造転換の必要性の認識であり、ベーシックインカムは他の政策と適切に組み合わされれば、これらの不平等を改善する道筋の一助となりうる。
例えば多くのエッセンシャルワーカーの労働条件が改善してこなかった理由の一つは、食べていくために辞められず、また辞めても代わりの人を雇える雇用者側に、改善へのインセンティブ(誘因)が働かないことだ。
適切な額のBIはこうした状況を劇的に変える力がある。
山森氏が指摘した上記の問題と対策としては、私も
◆ 働く人の格差是正と安心を目的としたベーシック・インカム:BI導入シアン-5(2020/7/2)
の中で「保育職・介護職等公共的社会福祉・社会保障関係職の方々へのベーシック・インカム」として問題提起しています。
なおこの日経小論では、ベーシックインカム論の歴史的な変遷や背景などにも触れていますが、詳細は、先述した同氏の著『ベーシック・インカム入門 』で確認頂くのがベストと思いますので、ここでは省略します。
労働問題を含む広範な視点からのベーシックインカムの必要性・必然性
私が構想するベーシックインカム生活基礎年金制度を法律案としてまとめるべく、既にその第一次私案をまとめていますが、その前文を、以下の記事で提案しました。
◆ ベーシックインカム「生活基礎年金法・前文」第一次私案まとめ(2020/9/15)
その目的・意義、そして目標として、以下の問題点や方針・方向性を提起しました。
今回の山森氏の問題提起と重なる部分が多々あることを確認頂けると思います。
1.生活保護制度の運用と実態
2.少子化社会の要因としての結婚・出産・育児等における経済的不安
3.非正規労働者の増加と雇用及び経済的不安の拡大
4.母子世帯・父子世帯の困窮支援の必要性
5.保育職・介護職等社会保障型職業の労働条件等を原因とする慢性的人材不足
6.子どもの貧困と幸福度を巡る評価と課題
7.国民年金受給高齢者の生活基盤の不安・脆弱性
8.コロナウイルス禍による就労・所得機会の減少・喪失による生活基盤の脆弱化
9.自然災害被災リスクと生活基盤の脆弱化・喪失対策
10.日常における不測・不慮の事故、ケガ、解雇等による就労不能、所得減少・喪失リスク
11.共働き夫婦世帯の増加と仕事と育児・介護等両立のための生活基盤への不安
12.高齢単身世帯、高齢夫婦世帯、中高齢家族世帯の増加と生活基盤への不安
13.IT社会・AI社会進展による雇用・職業職種構造の変化と所得格差拡大
14.能力・適性・希望に応じた多様な生き方選択による就労機会創出と付加価値創造
15.貧富の格差をもたらす雇用・結婚・教育格差等の抑制のための社会保障制度による所得再分配政策
16.世代間負担の不公平・不平等対策と全世代型社会保障制度改革の必要性
17.コロナ禍で深刻さ・必要度を増した、安心安全な生活を送るための安全弁としての経済的社会保障制度
18.社会保障制度改革における基軸としてのベーシックインカム制導入の意義・有効性
19.ベーシックインカム制導入に必要な種々の課題への取り組み:社会保障財政赤字、国際社会における経済への影響を考慮
この
◆ ベーシックインカム「生活基礎年金法・前文」第一次私案まとめ
と併せて、同法第一次私案本文をまとめた
◆ ベーシックインカム「生活基礎年金法・本文」第一次私案まとめ(2020/9/16)
もご確認頂ければと思います。
なお、前文、本文とも現状継続しています<再考察シリーズ>の内容も勘案しつつ、改定第二次案を、できれば10月中にまとめることができればと考えています。
望ましい総合的社会保障システム体系構築と一体のベーシックインカム生活基礎年金制度、提案へ
私が提案としてまとめたい日本型ベーシックインカム生活基礎年金制度は、重複する給付はその分減額・廃止し、代替されない給付や社会サービスは残す、完全に近いベーシックインカム制です。
いや、減額・廃止・残す、というよりも、他の政策と適切に組み合わせることで、より望ましい総合的社会保障システム体系の構築と一体化したベーシックインカム生活基礎年金制度を提案することを目標としています。
前項の18.19.に記したものが、その基本的な考え方に当たります。
ただそれには、ベーシックインカムに強い関心を持つ多くの方々の知恵や助言、アイディアがまだまだ必要です。
ご意見等、忌憚なくお寄せ頂ければと願っています。

2.山森亮氏のベーシックインカム財源論(2021/4/3)
本稿は、山森亮氏著『ベーシック・インカム入門』(2009/2/20刊)『お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?』(2018/11/20刊・共著)及び、同氏による2019年6月14日公開の現代ビジネス | 講談社 (ismedia.jp)への寄稿を参考にさせて頂いています。
「財源」という課題設定への疑問|ノン・アフェクタシオンの原則が根拠
まず、山森氏は、ベーシックインカムを議論・検討するに当たって、その財源は何か、どうするのか、という問いかけ、課題設定自体に疑問を呈します。
その理由として
先ず、財政学では、「ノン・アフェクタシオンの原則」といって、特定の税と特定の支出を関連付けることは、望ましいことではないとしています。
要は、税収に色がついていないことが大半で、BIにどの財源を充てるかという問い自体不自然、というわけです。
もう一つは、
それでもこの課題が議論の俎上に上り、特定の政策の財源を問うということがなされるのは、圧倒的に、社会保障をめぐるケースだから、というのです。
率直な感想を述べると、ピンとこない!です。
既存の社会保障制度では、税方式か保険料方式かの議論から始まり、既に税方式で運用管理されている分野がほとんどでしょうから、殊更新たにどの税金から、と課題にする必要はないですね。
ただ、従来の予算枠や実績を大きく上回る金額を必要とする場合に、どの財源から充当するか、という課題設定はありうると思います。
とりわけ、完全BIの場合は、相当額の資金を必要とするので、どの税から充当するかを検討することは、ある意味では必要なことと思います。
なので、山森氏がどの論述でも示しているこの理由付けには、あまり説得力・合理性はないような気がします。

ベーシックインカム導入における2つの選択肢
とは言っても、現実にBIを導入するに当たっては、給付のための必要資金を調達する必要があるわけで、同氏は次のどちらかを選ぶしかない、とします。
完全ベーシックインカムを導入する、あるいはベーシックインカムの導入と同時に社会サービスの充実を図ろうとするならば、
1)既存の税率ないし税収構造を大きく変更する
2)税収に頼らない給付の方法を導入する
どちらかを選択せざるを得ない。
そして、この2つの方法について、それぞれ以下のように提示しています。
税率あるいは税収構造の変更方法例
先ず、既存の税率あるいは税収構造を変える方法の例を以下に列記します。
1)定率所得税方式:
現状多くの国で採用されている所得が多いほど税率が高くなる累進課税方式に対して、ベーシックインカム導入時には、所得税への課税を定率化し、その税収を主なBI原資とする方式
2)再分配重視方式:
所得が多いほど高い税率を課す累進課税方式で課税・歳入化された税金を、BI受給者に公平に分配する方式
3)消費税方式:
BIの資金源を主に消費税で賄う方式。消費税がBI給付を目的とした財源とされるいわゆる目的税方式
4)環境税等環境重視方式:
例えば、CO2排出量に対して環境税を課し、それを主なBIの財源に充当する方式
しかし、ゼロ・カーボンが実現されれば、その財源自体が消滅することになってしまう。
ただ、いずれの提案も、今より税負担が重くなるケースが殆どで、これらの提案は、反対されることが多いのは当然と言えましょう。
理論的には可能だが、現実となると別問題ということです。
例えば、過去の消費税増税が、経済停滞の大きな要因とされていることでも、今後BI導入の議論が行われることになった場合、最大の難問になることは間違いないでしょう。
なお、山森氏が例示した方式以外に
5)相続税方式:
相続税への課税率を高めて税収を増やし、BIの原資に充当する
6)企業保有資産課税方式:
企業などが保有し、活用していない資金・資産に対して課税し、BIの原資に充当する
などが提案されています。
しかし、どの方式か一つだけで賄うのではなく、複数の組み合わせによる検討・考察が大半です。

貨幣制度と銀行制度による信用創造という基本
ところで、ほとんどの国においては、現行の貨幣・銀行制度では、政府あるいは中央銀行にのみ通貨発行権があり、日本では、紙幣は中央銀行である日本銀行が、硬貨は造幣局が発行しています。
加えて、実は民間の銀行も貨幣を作り出しており、銀行は預かっているお金の何倍ものお金を貸し出すことができるのです。
その預り金の何倍まで貸し出せるかという規制「準備預金制度」が一応あり、日本の場合、現在0.05%〜1.3%とされています。
すなわち、銀行が融資をすることで、経済に流通する貨幣が作られ、増えていくことになっているのです。
この過程を経済用語では信用創造、英語ではMoney Creation 貨幣創造と言います
しかし、経済活動が冷え込むと、逆に極端な信用収縮が起き、流通する貨幣の量が一気に減ることになるわけです。

ベーシックインカムによる信用創造と経済効果とインフレリスク
ベーシックインカムは、一般的には、政府または中央銀行がその通貨を発行し、支給する方式を取るとされています。
これ自体が、信用創造行為に当ります。
そしてこのBI給付が、消費に充てられ、経済的な効果が生まれます。
ニワトリが先か玉子が先かの議論と共通ですが、BI給付が経済活性化・経済成長に貢献するゆえに必要とされる根拠がここにあります。
但し、こうしてBIが毎年支給されることで懸念されるのが、需要と供給のバランスが取れなくなることで起こりうるインフレ発生リスクです。
デフレ対策や低迷する経済対策として期待されるBIですが、それが高じてインフレを招くリスクも当然あることに注意が必要です。
言うならば過剰な信用創造が行われた結果のリスク、というわけです。
後述する、税収に頼らないBI給付が行われた場合、インフレリスクがあることが、同論者の口からも示されています。
しかし、意図的に信用収縮を図ることでインフレを収めることで対応が可能としているのです。
そのインフレリスクの可能性が、税収に頼らないBI方式を反対するグループに対する反対理由になるのですが、
そのグループは、当然、税収によるBI支給論派であることから、赤字国債に頼った相当額のBI給付がもたらす財政赤字、プライマリーバランスを欠いた財政政策を当然批判することになります。
このように、山森氏が示した2つの選択肢において、想定されるリスクとそれへの対応についての考え方も明確に違いがあることが示されています。

税収に頼らない給付の方法:シカゴブランとベーシックインカム
1929年の大恐慌後、民間銀行が信用創造するような現行の貨幣・銀行システムを変え、「完全準備金制度」「100%準備金制度」という性質をもつ提案が「シカゴプラン」としてなされました。
この延長線上に、政府や中央銀行等が流通に必要な分だけ発行した貨幣を、ベーシックインカムとして給付したら良いのではないかという考え方が出てきます
これは、税収に頼らない給付方法です。
実はこれに類した議論・提案は、MMTや赤字国債の中央銀行による買い取り方式等にも見られます。
当サイトが提案するベーシック・ペンションは、日銀が発行する専用デジタル通貨JBPCを給付するもので、やはり税収に頼らない方式を採用しています。
但し、現金ではないことや赤字国債の買い上げという方式ではないことに違いがあります。
山森氏は、これまでのところ、税収に頼らない方法を支持してはいません。
基本的には、税率あるいは税収構造の変更による方式を選択していると思われますが、その給付額を含め、具体的にその内容・方法を提案した論述を見てはいません。
それが残念なところです。
いずれにしても、財源をめぐる議論がなくなることはないでしょう。
それを前提として、ベーシックインカム、ベーシック・ペンションの実現を探り、方向性と方法とを詰めていく必要があります。
問題・課題の所在を確認し、どこに共通点・類似点を見出すことができるか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上2つの記事をまとめました。
なお、上記記事を書いた同じ時期に、朴勝俊・松尾匡・井上智洋氏らの活動グループ<薔薇マークキャンペーン>に山森氏が参画。
それを取り上げたのが以下の記事です。
⇒ 朴勝俊・山森亮・井上智洋氏提案の「99%のためのベーシックインカム構想」ー1(紹介編) – 日本独自のBI、ベーシック・ペンション
⇒ 朴勝俊・山森亮・井上智洋氏提案の「99%のためのベーシックインカム構想」ー2(評価編)その意義と課題 – 日本独自のBI、ベーシック・ペンション
この2記事も、近々1記事にまとめて当サイトに掲載します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
山森氏の財源論・財政論を改めて読んだとき、今、2026年に取り組んでいる、シン・ベーシックインカム2050におけるBI実現の壁としての【財源・財政問題の壁超克シリーズ】への取り組みが、その答えになると信じています。
こちらの財源・財政問題の壁を論述したシリーズの総括記事をぜひご覧ください。
山森氏が、上記で述べている財源論の誤り、ムダの原因とは、まったく異なる論点での結論を示しています。
これまで当サイトに過去記事を統合して掲載した日本人BI研究者シリーズ記事。
絶対に外せない代表的BI研究論者の以下の記事があります。